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君しかいない

君しかいない

俺を見て? すこしでもいいから 俺ばっかり君を見てるんだよ 知ってる? 更新:週末
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3月14日 終業式




みんな進級できたらしい。
(俺もなんとか進級できたし)


もうすぐ、俺も含めてみんなが2年生になる。

志摩も、岩崎も、東野も。


綾ちゃんも。


君しかいない

fourteen


「うちの高校は本当にすばらしい!!昨日も――…」


校長先生様、そんな話、聞きたくありません。

くだらなすぎますよ。

つかね、誰もお前の話なんぞ聞いてませんから!!



「……はぁ…」


校長の話し声だけが響いているこの空間(体育館)の中で、俺は小さくため息を吐いた。

ちょい姫ちゃん!何でため息なんて吐いてんねや?せっかく2年にあがれたのにぃ~この欠点女王!


…その小さなため息にいちいち反応してくる岩崎。


「はぁ…ため息くらい好きに吐かせてくれよ…」

「だって~姫ちゃんめったにため息なんて吐かへんから心配でぇ…」

「…お前、おもしろがってるだろ?」

「あはっバレた?」

「バレバレ。ったく…」


そう言うと、俺は前を向き、校長の(くだらない)話を聞いた。



今日で、1年が終わる

あっという間に終わった

でも、この一年間で自分でも

俺は成長出来たと思う。

勉強は無理でも、精神的に。

今でもまだガキだけど、少し、大人になれた気がする。


…綾ちゃんに恋したからかな。

直接そこまで関わってもいないけど

綾ちゃんには本当に救われた気がする

いや、志摩にも

岩崎にも、東野にも。


みんながいたから、変れたんだと思う。



「じゃ~席着いて~!!!」

担任が笑顔を浮かべながらそう言った。

最後のHR。

こいつにも世話になったな。


俺は心の中で「ありがとうございました」と言った。



*************


「なんかもう1年終わったって気がしないんだけど!ってかプリンセス of  欠点と離れるの嫌だ~!!」

「まぁ同じクラスになる可能性もなくはないんやから別にそんな叫ばんでも…」

「俺は離れたほうがせいせいするけどね。」

「プップリンセス of  欠点…なんて奴!!!もう知らない!」

「あははっ」



HRも終わり、俺たちは教室で最後の時間を過ごしていた。

今日で終わりだということもあって、普段はすぐ帰る人たちも残っていた。


…綾ちゃんも。



「んじゃ~俺ら帰るわ」

「へ?三人とも?」

「ごめんな!んじゃ!」


そう言って帰ってしまった。


「姫野~お前も顧問に呼ばれてるよな?」

「あっ堤も呼ばれてんの?」

「めんどくさいよな~」


堤は、俺と同じ軽音部。

今のバンドになる前の、少しの期間だけ組んでいたバンドで一緒にやってた一人。

けっこういい奴で、志摩たちの次に仲がいい。
(まぁこの話には登場しなかったけど。)


「ってか今の堤んとこのバンドってあれだよな、ライブとか全く出てないよなぁ。ぶっちゃけ楽しい?」

「…楽しくない。ってか一番初めのバンドが一番よかった」

「だよな!俺もお前と一緒に居て本当、楽しかったわ~」


…和気あいあいと喋っていたが、実は気が気じゃなかった。

だって後ろに綾ちゃんが友達と楽しそうに喋ってんだよ?!


冷静に話せねぇって!

無理無理無理無理無理無理!


…まぁ、本当に無理なんだけどさ。

戸田さんは、志摩のことが多分まだ好きなんだろうし。


でも…


かわいいんだよ。

笑い声とか聞こえてくる度、なんかさ、胸がもやもや(?)するんだよ。

どこが好きかと聞かれると


かなり困る



自分でもわかんねぇから。


ただ、




好き





「あっそろそろ行く?」

堤が時計を指して言った。

「あぁ!じゃぁ行こっか」


俺は立ち上がって、自分の鞄を置いている席へ向かおうとした。


「あっ戸田さん。メアド教えて?」


…は?


「…あぁ、いいよ~あたしから送ろっか?」


へ?

堤がいきなり綾ちゃんに話しかけ、

俺が最も、



言いたくても、言えなかった言葉を言った。


俺はその場に居ることが耐えられなくなって、先に教室から出た。


少したって、堤も出てきた。



その後のことはよく覚えていない。


堤と話しながら顧問のところまで一緒に行ったけど、何を話したかは覚えていない。

多分、『放心状態』ってやつだったんだと思う。



―――俺たちが出て行った後に、綾ちゃんが泣いていたとも知らずに。







to be contenued...



あとがき

長いですね~…すみません。
まぁでも卒業シーズン(?)ですし、たまにはいいかなぁと。
最近以前に比べると、一話が短くなっている気もしますしね。

さて、今回の話はどうだったでしょうか?

ぶっちゃけちゃいますと、続き…


書きにくいぜ…(笑)

まぁがんばりまーす

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全部読みました!

8話から読んだんだけど、意外な展開にびっくりしました。
「早く続き続き」ってなった~

特に、会話のところがおもしろかったよ
笑ってしまうなぁ(笑)
この後もかなり気になります…

姫ちゃんがんばれ


ちこ 2008/03/16(Sun)23:58:56 編集

ちこ様

感想ありがとうございます。

結構進んでてびっくりしたやろ?(笑)
笑ってしまうなんて嬉しいこと言ってくれて…
もうほんま、ありがとうございます!

姫ちゃん…がんばらせます!!!!(笑)

感想ありがとうございました!
美夜 2008/03/19(Wed)18:38:54 編集
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雨音美夜
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自己紹介:
こんにちは。雨音美夜です。
「君しかいない」
は、馬鹿な男、姫野巧也による馬鹿な恋の話です(笑)
おもしろい話に出来るかはまだわかりませんが、気に入っていただけると嬉しいです。
(君しかいないは完結しました。)

更新は基本は週末ですが、結構不定期なので暇つぶしのつもりで気軽に読んでいってくださいね♪



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