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君しかいない

君しかいない

俺を見て? すこしでもいいから 俺ばっかり君を見てるんだよ 知ってる? 更新:週末
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あ~あ。

言っちゃった。

心にもない言葉を


「協力する」


なんて…




はっはっはっ


はははは………


君しかいない

sixteen


「も~…どうすりゃいいんだよ…」


俺は今、一人で

たそがれている。


なんとなく外に出たくなって歩いている。

でも外に出たからといって、

何をするわけでもなく。


だからなんとなくバス停のイスに腰をかけて、今にいたる。


…ここ、どこだろう?

だいぶ歩いた気がする。


なんか

本当、いろいろありすぎた

最近ありすぎる。


なんでかな。


『君』を想えば想うほど

どんどん辛くなる


2年生にあがれてよかったけれど

もし、『君』と同じクラスになれたとしても

俺はこのままなんだろうか

何もしないで

ただ見るだけなんだろうか


俺は


いったい『君』の何を見てきたのだろうか。








そう思って立ち上がった瞬間だった。


「な!??なななんで?!!」

「…久しぶりに会って『なんで』とは失礼だね。」

「だっだって…お前…」

「…姫ちゃん、かわってないね」


そう言って俺の頭をなでた。

…昔と同じように。


今は俺のほうが背が高くなっているけど。


…目の前にいるのは



俺が初めて好きで付き合った人、里砂。



「…ま~た人に気ぃ使ってんでしょ?あんたって本当に変らないんだから!この馬鹿!」

「ばっ馬鹿とは何だよ!」

「まぁ話はあと!ほらっ行くよ!」

「へ?」


俺は里砂に引っ張られて、行き先もわからなかったが、とりあえずついて行った。


******************


「ここは…」

「マ○ドナルドだけど?」

「いや、言われなくてもわかるし!」

「…とりあえず空いてる席座って。」

「あっはい…」


なんか…里砂、大人っぽくなったなぁ…



誕生日の日にフラれたときはかなりショックだったけど

今となっちゃ、なんかもうどうでもいい気がした。


「…私さ、知り合いに姫ちゃんと同じ高校行ってる人がいてさ。」

「…へぇ…」

「それで…よく姫ちゃんのこと聞いてたの。えっと…それで……戸田綾ちゃんだっけ?」

「はっはぁ!?」

「好きなんでしょ?」

「……」

「私があのときフッて、姫ちゃんが女の人苦手になるなんて、当時は思いもしなかったから、今はあんときのこと思い出すとほんと、凄い後悔してる…ごめんね?でも、それでもその子のこと、好きなんでしょ?…そんな暗い顔して、何があったか知らないけどさ…」


―――何もしないで後悔するより、何か行動して後悔するほうがいいんじゃない?



里砂のコトバは

本当だった。


俺は何もしていなくて


堤のことだって


ただ、




現実から、逃げているだけで。


「…里砂、ありがとう。」

「どういたしまして」

「俺…さ……」


―――里砂のこと、好きだったよ。


長い間言えなかったこの言葉を、言おうかと思ったけれど

『昔』と『今』の気持ちは違うから


「姫ちゃん?」

「…なんでもない。本当に、ありがとう」



そう言って、俺は店から出た。


*************



「…あっ圭吾!」

「やっほー里砂ちゃん♪欠点 of…じゃなくて、姫野に言った?」

「うん!」

「…姫野のこと、好きだったのに別れたって言わなくてよかったのか?」

「何言ってんの!私は東野圭吾の彼女なんだから!」


「……あっはは(笑)門松圭吾だってば!」


私は、姫ちゃんが好きだった。

でも今は


彼が傍に居てくれているから。


だから




がんばって



姫ちゃん。



to be contenued...
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「だからさ」


「協力して」


「よろしくな?」



「頼りにしてっからさ~」


君しかいない

fifteen


耳をふさぎたい

初めて思った。


あ~あ

あ~あ


あ~あ~~~~!

「あ~!さっきからなんやねん!ため息ばっか吐いて!も~うっとうしいなぁ!」

「…だってさ……いや、何でもない。こっちの話だから」

「…さいでっか~」


岩崎とはその後も普通に会話を交わしたけれど、俺の(でっかい)ため息の理由はそれ以上追求することはなかった。

でも、ため息を出せば出すほど


あのときのことが思い出される。

だってあの堤がよ?

なんで?


つかさ、綾ちゃんモテすぎだろ!


まぁかわいいからね。
仕方ないか。

綾ちゃんは俺だけの綾ちゃんじゃないんだもんな。



そういえば最近、綾ちゃん髪巻いてたなぁ~…

かわいかったな。


でも、なんか複雑だった。

いつも巻いていなかった彼女が巻いていて

何かあったのかなって

誰かに





見てもらいたかったからなのかなって





そう思ったら悲しくなった。


***************************


「ほんと、戸田さんってかわいいよな~姫野もそう思わねぇ?」

「あ~まぁねぇ~」

「あっ思ってねぇの?見る目ないな~!」

「ははっ」

かわいいよ

かわいすぎますよ。

でも


そんなこと言えないでしょ。


今日は部活がないので、俺は堤と近くのマ○ドナルドで話していた。

まぁ暇だったし。


それに堤のことが嫌いというわけじゃないから。


「ってか巻いてんのみた?!」

「あぁうん」

「も~かわいいわ~!」

「堤ぃ~はしゃぎすぎ(笑)」

「あははは!!!」


そういえば堤、綾ちゃんと何かと話していたな。

あまり気にならなかったけど。


…いや、あえて気にしなかった。

気にしたくなかった。


ただのヤキモチだってわかってたから



「メールもしたしさ~」


「俺やばいかも」



「告っちゃおっかな?」



途切れ途切れに堤の声が聞こえて



もしかして綾ちゃんは

堤のことが好きなのかもしれない。


最近、前よりもかわいく見えていたのは

そのせいだったのかもしれない。


…もう




だめかもしれない。



俺は「がんばれよ」

と堤に言った。

そして最もしたくなかったことを口にした。





「協力してやるよ」






to be contenued...




3月14日 終業式




みんな進級できたらしい。
(俺もなんとか進級できたし)


もうすぐ、俺も含めてみんなが2年生になる。

志摩も、岩崎も、東野も。


綾ちゃんも。


君しかいない

fourteen


「うちの高校は本当にすばらしい!!昨日も――…」


校長先生様、そんな話、聞きたくありません。

くだらなすぎますよ。

つかね、誰もお前の話なんぞ聞いてませんから!!



「……はぁ…」


校長の話し声だけが響いているこの空間(体育館)の中で、俺は小さくため息を吐いた。

ちょい姫ちゃん!何でため息なんて吐いてんねや?せっかく2年にあがれたのにぃ~この欠点女王!


…その小さなため息にいちいち反応してくる岩崎。


「はぁ…ため息くらい好きに吐かせてくれよ…」

「だって~姫ちゃんめったにため息なんて吐かへんから心配でぇ…」

「…お前、おもしろがってるだろ?」

「あはっバレた?」

「バレバレ。ったく…」


そう言うと、俺は前を向き、校長の(くだらない)話を聞いた。



今日で、1年が終わる

あっという間に終わった

でも、この一年間で自分でも

俺は成長出来たと思う。

勉強は無理でも、精神的に。

今でもまだガキだけど、少し、大人になれた気がする。


…綾ちゃんに恋したからかな。

直接そこまで関わってもいないけど

綾ちゃんには本当に救われた気がする

いや、志摩にも

岩崎にも、東野にも。


みんながいたから、変れたんだと思う。



「じゃ~席着いて~!!!」

担任が笑顔を浮かべながらそう言った。

最後のHR。

こいつにも世話になったな。


俺は心の中で「ありがとうございました」と言った。



*************


「なんかもう1年終わったって気がしないんだけど!ってかプリンセス of  欠点と離れるの嫌だ~!!」

「まぁ同じクラスになる可能性もなくはないんやから別にそんな叫ばんでも…」

「俺は離れたほうがせいせいするけどね。」

「プップリンセス of  欠点…なんて奴!!!もう知らない!」

「あははっ」



HRも終わり、俺たちは教室で最後の時間を過ごしていた。

今日で終わりだということもあって、普段はすぐ帰る人たちも残っていた。


…綾ちゃんも。



「んじゃ~俺ら帰るわ」

「へ?三人とも?」

「ごめんな!んじゃ!」


そう言って帰ってしまった。


「姫野~お前も顧問に呼ばれてるよな?」

「あっ堤も呼ばれてんの?」

「めんどくさいよな~」


堤は、俺と同じ軽音部。

今のバンドになる前の、少しの期間だけ組んでいたバンドで一緒にやってた一人。

けっこういい奴で、志摩たちの次に仲がいい。
(まぁこの話には登場しなかったけど。)


「ってか今の堤んとこのバンドってあれだよな、ライブとか全く出てないよなぁ。ぶっちゃけ楽しい?」

「…楽しくない。ってか一番初めのバンドが一番よかった」

「だよな!俺もお前と一緒に居て本当、楽しかったわ~」


…和気あいあいと喋っていたが、実は気が気じゃなかった。

だって後ろに綾ちゃんが友達と楽しそうに喋ってんだよ?!


冷静に話せねぇって!

無理無理無理無理無理無理!


…まぁ、本当に無理なんだけどさ。

戸田さんは、志摩のことが多分まだ好きなんだろうし。


でも…


かわいいんだよ。

笑い声とか聞こえてくる度、なんかさ、胸がもやもや(?)するんだよ。

どこが好きかと聞かれると


かなり困る



自分でもわかんねぇから。


ただ、




好き





「あっそろそろ行く?」

堤が時計を指して言った。

「あぁ!じゃぁ行こっか」


俺は立ち上がって、自分の鞄を置いている席へ向かおうとした。


「あっ戸田さん。メアド教えて?」


…は?


「…あぁ、いいよ~あたしから送ろっか?」


へ?

堤がいきなり綾ちゃんに話しかけ、

俺が最も、



言いたくても、言えなかった言葉を言った。


俺はその場に居ることが耐えられなくなって、先に教室から出た。


少したって、堤も出てきた。



その後のことはよく覚えていない。


堤と話しながら顧問のところまで一緒に行ったけど、何を話したかは覚えていない。

多分、『放心状態』ってやつだったんだと思う。



―――俺たちが出て行った後に、綾ちゃんが泣いていたとも知らずに。







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あとがき

長いですね~…すみません。
まぁでも卒業シーズン(?)ですし、たまにはいいかなぁと。
最近以前に比べると、一話が短くなっている気もしますしね。

さて、今回の話はどうだったでしょうか?

ぶっちゃけちゃいますと、続き…


書きにくいぜ…(笑)

まぁがんばりまーす


後 悔 先 に 立 た ず


誰が言ったか知らないけど。

…誰が言ったんだろ?



何かむしょうに気になってきた。


君しかいない

thirteen


「なぁ岩崎~」

「何~?」

「『後悔先に立たず』って、誰が言った言葉か知ってる?」


岩崎は持っていたマイクの音量をいじりながらため息を吐いた。

「なっなんでため息吐くんだよ!人が真剣に話してんなによー!」

「お前な、それはことわざなんやからさ、誰かゆぅたとかそんなん誰も知らんやろ。そんなことより早くお前も準備しろよ。久しぶりの部活やのに時間無駄にしてんちゃうぞ。まったくも~」

発声練習をしながらぐちぐちと言う岩崎。

俺はそのぐちぐちを聞きながら俺はドラムを適当にバシバシたたく。


駄目だ。



全く



「いーわーさーきー!」

「あっ東野!お前なにしててん!はよ来いゆぅてたやろ!」

「ごめんー!」


やる気が

出ない。


「ってあれ?志摩は?」

「あーなんかちょっと用事あるからとか何とか言ってたよ。もうすぐ来るから志摩抜きで始めようよ」


そう言って東野も準備をする。

岩崎も準備をしている。


…東野には、彼女がいる。


他校に。


岩崎は隣のクラスに彼女がいる。

岩崎なんかは場所を構わずイチャつきやがるから本当にうっとうしい。


でも本当は

ものすごく、羨ましい。

俺には居ないから。


「んじゃ、始めるぞ!」


俺は合図をして、たたきはじめた。



RADWIMPSの、最大公約数。



岩崎って、本当にこの歌手が大好きで

よく歌う曲。


岩崎の声は、とても優しい声だから

聞いてると、俺まで優しい気持ちになれる。


あはは


はははは。


なんか、おかしくなってきたよ。


歌ってこんなに胸にしみてくるもんだっけ?

こんなに

自分がわからなくなるもんだっけ?


途中から志摩も加わって、曲も終わりに近づいてきた。

みんな

笑ってる。

岩崎も

東野も


志摩も


…俺も。


がんばろう。


よくわかんねぇけど、全部がんばろうと思った。


勉強も

音楽も

…恋愛も。


でも、もし、2年生になってきみと同じクラスじゃなかったら

そのときはきっぱりあきらめるよ。

だから

それまで思わせて?





「雨のち晴れのち曇り 

僕のちきみのちつまり

そうやって 

これからだって 


やっていこう 」







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「なるほどね」


「旬はこうして欲しかったのね…」


目の前で起きていることが

理解できなかった。


…っというか、どうして志摩が帰ったと思ったら


この子が…


君しかいない

twelve


「も~そんなに功也があたしのこと好きなら付き合ってあげようじゃないの!!」

「えっ…ちょっと…俺は綾乃ちゃんのこと嫌いじゃないけど…」


なんと、俺の前に現れたのは志摩の妹、志摩綾乃。

マジ意味わかんねぇ…


「え~『綾ちゃん』って言ってたのにぃ~?」

「俺は戸田『綾』が、好きなの!」

「…まぁそうだろうと思ってたけどね。」

「へ?」


俺がそういうと、彼女は話し出した。


「戸田綾」と「志摩旬」について。


付き合ってたこと。

志摩の過去のこと。

戸田さんの…過去のこと。


それを聞いてると

あぁ、ほんと、俺


二人のこと、なんも知らないんだな


と、思った。



「でもあんま言わないでね。このこと、戸田さん本人から聞いたから。旬とまだ付き合ってるときに家に来たことがあってさ。彼女、泣きながら話してくれたの。」

「…そっか」



それから少し話して、俺たちはそれぞれの家に帰った。


なんで俺、好きなんだろう?

なんで

こんなにも


胸が痛いんだろう?

女苦手なくせに

もう片思いなんて

本当はしたくないくせに


なんで

やめられないんだろう



帰る途中で人とすれ違った。


その人が本物の『綾ちゃん』とは


あのときは考えもしなかった。




―――……




「おっはよ~!!!」

「欠点!おはよう!!!」

「『欠点』ゆぅなぁ!!!」


今日はテスト最終日。

そして


みんなと過ごす最後の日(いや、あと終業式が残ってるけど)


なんかあっという間だったな。


左斜め前には『綾ちゃん』がいる。

結局自分からは話せなかった。


他愛もない世間話とか

俺の気持ちとかさ。


***************


試験も終わってしまった。

そして


下校の時間がやってきた。




俺、また後悔するんだな。




そう思っても何もしない俺。

思わず苦笑がもれた。

俺は鞄をもちあげて帰る準備をした。


その際にきみに少しぶつかってしまったけど

何も言わずに


黙って教室をあとにした。


きみと、志摩の視線が向いてるとも知らずに。





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プロフィール
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雨音美夜
性別:
女性
自己紹介:
こんにちは。雨音美夜です。
「君しかいない」
は、馬鹿な男、姫野巧也による馬鹿な恋の話です(笑)
おもしろい話に出来るかはまだわかりませんが、気に入っていただけると嬉しいです。
(君しかいないは完結しました。)

更新は基本は週末ですが、結構不定期なので暇つぶしのつもりで気軽に読んでいってくださいね♪



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